新型コロナウイルスワクチン配送に挑む
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新型コロナウイルスワクチン配送に挑む
本橋 光男(アーカイブ・ソリューション部 次長)

2021年2月、日本においても新型コロナワクチン接種がスタート。つくば市内の全医療施設に、厳格な温度管理のもと、滞りなく、安全に、かつタイムリーにワクチンを行き渡らせること。それが沼尻産業に求められた絶対条件。ワクチンの仕分け及び配送の現場責任者として抜擢された本橋光男に聞きました。

地域に貢献できる願ってもないチャンス

現在、私が所属しているアーカイブ・ソリューション部は、機密文書の原本保管・整理・オンデマンド送信・電子化クラウドサービスを融合したアーカイブシステムを提供しています。また、地域の医療機関の病院診療録(カルテ)の保管・配送業務を行なっており、カルテ単位での高セキュリティな管理を行なっています。

私が入社した理由のひとつに、地元密着企業として地域とのかかわりを大切にしているという当社の理念に共感したからということがあります。今回の、つくば市におけるワクチン配送業務は、これまでのノウハウを生かし、地域社会へ貢献できる願ってもないチャンスと自ら手を挙げました。

新型コロナウイルスワクチン配送に挑む
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現場の緊張と試行錯誤

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「5日後には医療施設へ配送開始です!」とつくば市役所の担当者に言われ、現場に緊張と不安が走ったのは今でも鮮明に思い出します。何から準備を始めれば良いのか、ひとまず自分のこれまでの知識と経験を頼りに、ワクチンの準備から配送までのシミュレーション、人員配置、ミスが起きにくい作業場のレイアウト、作業マニュアルの作成など、日々変更されていく厚生労働省からの案内を読み込みながら市役所担当者や関係者と何度も話し合い、思いつく案すべてをワクチン業務に注ぎました。

ワクチンの取り扱いは想定以上にデリケート、国内で最初に許可された米ファイザー製ワクチンは厳格な温度管理の保管・輸送が義務付けられています。各都道府県のターミナルとなる基本型接種施設(自治体市役所/施設・大型集団施設会場・大きな病院)には保管用のディープフリーザー(超低温冷凍庫/-70℃)の設置が必須であり、そこから専用の保冷バッグに保冷剤とワクチンを入れ2~8℃で冷蔵輸送し、連携型接種施設やサテライト型施主施設(医療機関・公共施設・商業施設など)へと運びます。冷蔵での配送は原則3時間以内、配送先での保管は2〜8℃、保管期限は冷蔵庫で5日間となります。

つくば市の高齢者は約47,000人、全体の人口は240,000人。つくば市内の医療施設等への配送先は100ヶ所を超えます。厳格な温度管理かつ配送までのリードタイムが限られるという状況で、業務開始時の現場は混乱しながらも試行錯誤を重ね、作業の流れや管理ルールを確立させていきました。

問題発生から生まれた、「つくば市・新型コロナウイルスワクチン配送システム」

新型コロナウイルスワクチン配送に挑む
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業務開始から数日が経過、安定して業務が行なえていると思い始めたときに問題は起きました。それは、医療施設とつくば市役所との連絡方法がメールや電話、FAXで対応していたことによる情報伝達ミス。つくば市役所と当社間でも情報共有が不十分になり、何度も準備をやり直すという非効率な状況に陥っていました。

そこで、つくば市役所との打ち合わせを経て、当社が以前から付き合いのあるシステム会社と一緒に「つくば市・新型コロナウイルスワクチン配送システム」を開発しました。それにより、アナログなエラーが解消され、ワクチンの在庫や配送の情報は、医療施設と当社での同時共有が可能になりました。

ITmedia

【IT先進自治体でも大苦戦?非効率だったワクチン配送を、つくば市が変えられたワケ】

地域のエッセンシャルワーカーとして

新型コロナの感染拡大は予断を許さず、未だ先行きは不透明なままですが、その中でもつくば市役所や医療施設の皆様、沼尻産業の各現場からの応援など、この困難を一緒に乗り越えようと、業種を超えた協力体制ができ、とても感謝しています。つくば市の皆さんの3回目接種が無事完了するまで、つくば市内の全医療施設へ、ワクチンを安心・安全・確実に届けるために各関係者と連携し、ワクチン仕分け・配送に全力を尽くします。そして、一日でも早く普通の日常と皆様の笑顔を取り戻せるよう、つくば市のエッセンシャルワーカーとして最後まで責任と誇りをもって取り組んでまいります。

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